セレニティカウンセリングルーム

月別: 2007年6月の記事一覧

“迷惑”をかけ合おう

時々、若いお母さんがこんなふうに言うのを聞くことがあります。
「子どもを預かってもらえるのはありがたいんですが、そうすると今度は自分が預からなくちゃいけないって思うと、気持の負担になって、お願いできないんです。」

何かしてもらったら、すぐにそれにお返ししないといけない、そんなふうに思いこむとすごく人間関係が堅苦しくなってしまうことってありますね。

持ちつ持たれつ、困ったときはお互い様、そう考えて、お互いに助け合えるといいなあと思います。

何かしてもらったらすぐにお返ししなくてはいけないというのではなく、相手が困っているときに自分のできることがあったら、別のことでお返しするのでも良いと思うのです。

それは直接、親切にしてもらった当人にではなくても、自分が出会った困っている誰かに力を貸してあげるのでもお返ししたことになるのではないでしょうか。

福祉の仕事で実績を積まれ、参議院議員になられた黒岩秩子さんに名刺をいただいたことがあります。名刺には「“迷惑”をかけあおう」と書かれていて、ハッとさせられました。福祉の現場の長かった黒岩さんの実感がこもっていると思いました。何らかのハンディがあって支援を必要とする人が、安心して「迷惑」をかけることのできる社会こそが、誰にとっても安心して暮らせる社会でしょう。

<人に迷惑をかけてはいけない>だけが強調されてしまうと、困っている人や助けを必要とする人が「手を貸して下さい」と言えない社会になってしまいそうな気もします。

と言いつつ、自分の子育てを振りかえると、あーホントに迷惑のかけっぱなしだったなあ。Eさん、Kさん、Sさん…それに数え切れないくらい多くの方に文字通り迷惑かけたし、お世話になったなあと、反省しきりです。私の場合、本当の迷惑だったような気が・・・。

でもどうかその分、今がんばっている若いお母さん達にお返ししていきますからね、ゆるしてね!

頭の切り替え、ヒントは数独から

パズルやゲームとか、私は普段ほとんどやりません。嫌いなわけではないのですが、なんとなく…です。
ところがある週末、ふと新聞のパズルコーナーに目がとまり、見るとそこには、「数独」というパズルが載っていました。マスの中に数字が並んでいて、所々空欄になっています。何の気なしに、解いてみることにしました。

1から9までの数字を使って、同じ数字が隣り合わないように縦横のマス目を埋めていくパズルです。難易度の低いものから高度なものまで、解き方もいろいろあるみたいですが、詳しくは知りません。

とにかく、その時のことがきっかけになり、それ以来、たまに週末の新聞で数独を楽しんでいます。

簡単に解けるとスッキリします。…ミニ達成感!
簡単に解けないときは解けないで、「よし解いてやろう」と挑戦のしがいがあります。…さらに達成感!

「別にこれが解けないからって、どうっていうことないのになあ。それに解けたからといっても、どっていうこともないんだけど…。」な~んて心にブツブツ言いながら解いています。

意味もないことでもやりたいからやっている、人生ってそんなもんさーと。

ところで、数独をやっていて気づいたことが一つあります。数独はじっくり考えるよりヒラメキの部分が結構大きいみたいです。じっくり考えすぎると泥沼にはまります。いや、考えてはいけないのかも。考えずに、順序よく理詰めで行くとスッキリ入るといったほうがいいのかな。

では、そんな時どうするか。
解決策は、行き詰まったら視点を変える、それでダメならいったん中断して離れる。別のこと(仕事や家事や、出かけるとか)をしてからまた戻ってくると、今度はパッと解答が見つかることがあります。あんなに考えてわからなかったのに、今度は一瞬で解答が見つかるのです。ホントに不思議。

「視点を変える」

それも難しくなったら、

「いったんそこから離れる」

このことは、私たちの日常の思考や行動にもヒントになるのでは?っと、私としてはちょっとした「発見」の気分でした。

私たちは、行き詰まったとき、「もっとがんばれば、なんとか突破できるだろう、とさらにがんばる。それでもうまくいかないとガンバリが足りないからだと思い、もっとがんばる。それでもうまくいかないとだんだん息切れがしてきて、絶望的な気分になったり、自分に力が足りないせいだという誤った認識に陥ってしまう。そして次第に挑戦する気も失せてしまう。…なんていうことを日常やってしまっている気がするのです。

ひたすら疲れて徒労感だけ残って…。

そんなとき「視点を変える」「いったんそこから離れる」のは、けっこう有効な手段ではないかと思ったわけです。

そんな気づきももらえた数独は、頭の切り替え練習にはもってこいかも。数独の本を買うほど熱心ではないけれど、週末の新聞のパズルは、今しばらくお楽しみの時間になりそうです。

二人がけシートに一人ずつ

週に二回、大学の学生相談室を担当しています。大学へは最寄り駅から教職員用バスが出ますが、時間帯によっては学生達と同じスクールバスを利用することもあります。

そんな時、以前からとても不思議だったのは、学生達は二人がけのシートに一人ずつしか座らないということ。もちろん、ふだんから会話している(と思われる)友人同士の時は、二人がけに隣り合って座り、おしゃべりしていますが、二人がけのシートに座っているのが、日頃話したことのある相手でないと、空いていても座らないみたいなのです。

ギッシリ混んでいても、席は一人分ずつ空いている、なんてこともたびたびです。

もちろんたまに、そうでない学生もいますが、大半は二人がけシートに一人ずつ座っています。

ある時、顔なじみの学生達に、
「こういうの、なんかヘンじゃない?」と聞いてみると、
「僕もそう思います。」
「僕は気にせず座っちゃいますよ。」
と、彼らからはキッパリした返事が返ってきて、ホッとしたことがあります。「ヘン」だと思っていたのは私だけじゃなかったと。(ちなみにここのキャンパスでは90パーセント以上が男子学生です)

先日、いつものように大学に向かうバスに乗り込んだときのこと。
私が座ると、すぐ前の席に一人男子学生が座りました。その日車内はすいていて、二人がけに一人ずつが座った後、数人が立っている状態でした。

そこへ一人の女子学生が乗ってきて、後方の空席をサッと確かめた後、私の前の空いた席に何のためらいもなく座りました。男子学生の隣りだったので、友達同士かと思ったのですが、そうではなかったようです。大学までの10分間、二人の間に会話はなく、女子学生も、隣の席の男子学生に格別注意を払うでもなく、そのまま降りて行きましたから・・・。

たったそれだけのことですが、私の目にはなぜか新鮮で、気持ちよい光景として映りました。
何が言いたいのかと言うと、男子学生の隣りに女子学生がサッと座ったことが珍しく、そして頼もしい感じがしたのです。それまで、男子学生達が、隣り合ったシートになかなか座らないのを、不思議でもあり、ナーバスで過剰な振る舞いのように思っていたものですから・・・。

もちろん、女子学生の行動は、ごく自然で当たり前のことなんですけど、ふだんそういう光景を目にしていなかったので、さわやかで溌剌とした印象を受けました。バスを降りる彼女の背中を見送りつつ、「どんな人かなあ?話してみたいなあ。」と、一瞬興味を持ったくらいです。

一方で、多くの学生達はものすごく人間(友人)関係に気を遣っているんだなあと、気の毒な気さえします。これは、うちの大学だけのことなのでしょうか。むしろこの大学に限らず、大なり小なり、若い人達の中に人間関係に過剰に反応してしまう傾向があるということではないかとみているのですが…。彼らは窮屈な思いをしているように見えます。

「みんな、もっと気楽にしていていいんだよ!そんなに壁を作らないで、もっと人を信頼しあおうよ。」と言ってあげたい気がします。本当は彼らだって、そう願っているに違いないし、そうなれるように後押ししたり、援助するのが私の仕事ですし、・・・・何とか力になりたいものです。

こんな送迎バスでの往復ですが、私にとっては、いささかありがたいこともあるんですよ。・・・それは、どんなに混んだバスでもたいていは座れる=二人がけのシートは空いていることが多いのですからね。「失礼!」とかき分けていき、二人がけの空いた席に座ることができます。果たして、喜んでいいのでしょうか?(^^;;;

「セレニティ通信」印刷できあがり!

やっとセレニティ通信ができあがりました。印刷が終わるとホッとします、と言いたいところですが、発送作業が終わるまでは何だか落ち着きません。

発送と言っても、そんなにたいそうな数ではないのです。一時は少しまとまった数を発送していたのですが、それに比べたら、今はその半分くらいです。でも私の悪い癖で、数が減ると安心して、作業がその分ゆっくりになってしまうようで、掛かる時間は大して変わらないという効率の悪さです(単に歳と共に作業が遅くなっただけ?!)。

ということで、ホームページにも近いうちに掲載する予定です。本当は表紙とかも、画像にして載せたいなあと思っているのですが、そのうち、ということで…。

とこんなふうに言うと「セレニティ通信てそんなにすごいのか!」と思われるといけないので、あらかじめお断りせねば。実は、A4二つ折り12ページのささやか~な手作り通信です。

もし紙媒体のセレニティ通信をご希望の方がいらっしゃいましたらご連絡ください。お送りします。

ということで、近況報告でした。

「セレニティ通信」あと少し

何人かの方から「セレニティ通信」の原稿を頂いたのが一ヶ月も前のこと。5月発行の予定が6月にずれ込み、6月もすでに半ばになってしまいました。忙しい中で、急いで書いて送ってくださった方には、ホントにすみません。

もう後少しです。

今、いろいろなことが同時進行なので、あっちをやり、こっちをやり、とやっていまして…、というのは苦しい言い訳ですね。

インターネットの時代ですが、やっぱり紙媒体もあるといいなあと思っています。いつでもパラパラとひっくり返して読めるし、ネットでは伝わってこない温度のようなものも感じられて…。と勝手な思い入れで、紙の通信発行にこだわっています。

それに誰もがインターネットを使う環境にあるわけではないので、たとえ年に何回かでも、紙の「通信」を通してお便りできたらいいなと思っています。

エ?
だったら、サッサとやりなさい?

ハ、ハイ、たしかに…。 ……………すみません。

いそぎまーす。