お別れ
「旧年中も、ワークショップ開催のご連絡をいただきまして、ありがとうございました。
今年が、よい年でありますように……。」
一通の年賀状が手元にあります。今年の元旦に頂いたものです。伊勢市二見ヶ浦の日の出が赤々と映し出されています。いつも通りのしっかりとした筆跡は、とても厳しい闘病中に書かれたとは思えないほどです。
このときすでに、かなりご病状は悪化していらしたのだと後に知りました。どんな思いでこの年賀状を書かれたかと思うと、胸が詰まります。
……………
昨日留守電が入っていました。Ha先生の訃報でした。
セレニティの開設間もない頃から、ずっと教師研修その他の催しに参加してくださった小学校の先生です。
瞑想会の初期からのメンバーで、2004年の音祭りにも遠方から参加してくださって、手拍子で楽しんでくださいました。茨城での泊まりがけの手塩研セミナーにも参加されました。
そしてここ数年、ご病気と診断されてからも、度重なる手術と治療で体力を消耗されつつも、ひたすら教育者として研鑽の道をと、あれこれ研修会に参加され、「少しゆっくりされては?」との周囲の声ももどかしそうに、再び教壇に立つ日を胸にがんばっておられました。
思い出します。
白浜での宿泊研修の折り、釣り竿とバケツを手にしたHa先生を写真にパチリ!ちょっと得意そうに見えました。その日一番釣れたのはHa先生。「昔とった杵柄ですね」とみんなで笑い合ったときの、先生の照れくさそうな笑顔。私の知っているHa先生の一番楽しそうな笑顔でした。ヤンチャな釣り好き少年が顔を覗かせて…。
Ha先生と私は同い年。なのに、なぜか先生と話すときは「です、ます」調になってしまったのは、先生の律儀で誠実なお人柄のせいだったかもしれません。
今でも、何だか信じられないのです。うっかりすると、また今まで通りに、ワークショップのお知らせをお送りしてしまいそうで…。
今はただ、感謝の言葉があるだけです。長い間、どうもありがとうございました。そして、さようなら、Ha先生。
これからもセレニティはがんばりますよ。先生の、教師として、最後まで教室の子ども達のことを思っていらしたお気持ちを大事にしつつ…。手塩研を見守っていてくださいね。
合掌