セレニティカウンセリングルーム

名前を覚えるⅡ…教え子の名前をフルネームで

教育雑誌に紹介されていたエピソードから…。

ある公立小学校での出来事です。

A先生(養護教員)は子ども達の名前をフルネームで覚えることを日頃の目標にしていました。そのため朝会に出席するときも名簿を持って参加し、全学年の顔と名前を一致させるように努力していたのだそうです。

すると、それを知った校長先生が「私もやる」と言って、同じように子ども達の名前を覚え始めたそうです。養護の先生も校長先生も、担任と違って、いつもクラスの子ども達を見ているわけではないので、子どもと接する条件としては同じです。

そうしてしばらくしたところ、次第に校長先生の集会などでの話の内容が変わってきたのだそうです。

子ども達の様子がわかるようになってから、校長先生がとても講話を大事にするようになったのです。子どもの心に響く話に変わっていきました。

そんなとき、A先生はすかさず、「校長先生、今日の話はいい話でしたね。子ども達はこんな反応でしたよ」と声を掛けるようにし、校長先生にも一緒に「管理職として育ってもらう」のだそうです(=校長先生には内緒^^)。ベテランの養護の先生ならではの心強いサポートだなあと感心しました。また、素直に学んだ校長先生もすばらしいと思います。

「私は管理職であって教育者ではない」と公言する校長先生もいる現状を考えると、たとえそうした状況でも、やりようによっては一歩ずつ変えていくことができるのだと、良いお手本を見せてもらったような気がしました。

難しく考えず、できることから始めればいいんだ。まだまだやれることはありそう、そんな気にさせてくれます。

それにしても、人間関係ってちょっとのことで風通しが良くなったり、会話や笑顔が増えたり、居心地がよくなったりするものなんですね。

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