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決断の「決め手」は…
最近、臨床心理士で発達障害のサポートにかかわっている方のこんな言葉に出会いました。
「決めるためには論理と情動の両方がバランスよく働かないとダメ」
その通り!と膝を打ちたくなりました。このことはアサーション・トレーニングでも常にポイントになるところです。頭では正しいとわかっていても行動を起こせないときには、感情が働いて思考を後押ししないとダメということです。
自分自身でも気づかないうちに何らかのブレーキを掛けてしまう、そうやって行動を抑えるのは、行動することで不利になったり怖い思いをしないですむように防いでいるわけです。ですから、そのブレーキを外すには不安や恐怖を上回るほどの感情のエネルギーが必要になります。
論理的思考による強い決意や事実への確信があったとしても、決めるときには感情が働かないとダメということですね。そのためにアサーション・トレーニングでは、行き詰まったときの実際の場面を使ってロールプレイをすることで、自分の中で何がブレーキになっているか、どんな気持ちが動きを止めているのかに焦点を当て自分の気持ちに気づいていく作業が必須になります。気づいたときの納得感、肩の荷が下りたような爽快感、受ける印象は人それぞれですが、目からうろこに近い体験です。
事実を知り、冷静に緻密に思考する論理的思考はもちろんとても大事なこと。でもそれだけではなく、感情の動きに自分自身が気づいていること、そして感情が自由に揺れ動くことを許すことも、論理と同じくらい大事なことで、日頃後回しにされがちの感情だからこそ大事にしたいと思います。
「なぜ感情が後回しにされていると思うのか?」ですか?
だってよく言われますよね、「感情的になるな!」って。感情的という言葉が「正しい判断の敵」のように言われています。でも現実はそうではなく、感情を論理とバランスよく使ってこそ決めることができるのですから、論理と感情は対等の価値を持っているはずです。
結論、生き生きと感情豊かな生活を送りましょう!
(写真はちょっと古いですがお正月に東京国際フォーラムに行ったときのもの。ロビーに飾ってある今年の干支にちなんだ寅のタワー。タワーは時間をおいてゆっくり回っていて、女の子が指さしている先には、わかりにくいですが音楽とともに飛び出して来たトラさんが・・・。)