セレニティカウンセリングルーム

黄葉の午後、「ゴッホとゴーギャン」

上野公園の銀杏先々週の休日、久しぶりに上野公園に行ってきました。

お目当ては「ゴッホとゴーギャン展」です。

会期末まではまだ10日ほどあったので、混雑はしていないだろうと高をくくって行ったところ、見事に予想は外れました。

朝の通勤ラッシュほどではなかったですが、お昼時の山手線(?)くらいには混んでいました。

絵は素晴らしかったです!
でも、人混みで疲れました。できればゆっくり静かに観たかったな~。

画材を買うのもままならないほど貧しかったゴッホが、待ち望んだゴーギャンとの共同生活を控え、ゴーギャン用の椅子を購入して到着を心待ちにしていたというエピソードは、ゴッホのピュアで一途な人柄を物語っているようで、その椅子を描いた絵はひときわ印象に残りました。

絵の具の退色がかなり進んでいると解説にありました。
実際、会場の概説案内のビデオに映し出される絵画の色合いの鮮やかさと、展示された実物の色合いとの違いは(デジタル表示と実物の違いを考慮しても)歴然としており、ゴッホが描いた元々の色はどんなだったのだろう?と、もはや見ることのできない色彩に興味をかき立てられました。

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こうした疑問が湧いてくるのも、時代の空気まで感じさせる展覧会ならではの感想だったような気がします。

すっかりゴッホとゴーギャンに浸った2時間。その後、見事な銀杏の黄葉の中を歩く。

ささやかだけど、何かとっても贅沢~!そして幸せ~!

 

温かいお別れの会

20161120年齢のせいでしょうか、このところ、葬儀やお別れの会に出席することが続きました。

そうした会場では、喪主や主催の親族の挨拶があり、故人と縁のある人が思い出のエピソードや短いメッセージを語ります。出席者はそれらを聞きながら、故人をしのんだり、久しぶりに顔を合わせた親族と近況を伝え合ったりすることで、普段とはちょっと違った流れのひとときを過ごすことになります。

懐かしい面々と久しぶりに顔を合わせ、同窓会のように話が弾んだり、そんなときでもないと会うこともない遠い親戚と初めて言葉を交わしたり・・・。悲しみの席ではあるけれど、どこか穏やかで優しい空気に包まれていることが多いです(もちろん病死や事件や事故など、亡くなられた原因によってはまったく違うでしょうから、あくまで私の経験した中でということですが)。

そこでは、死という普遍的なものにまつわる話題だけに、深い洞察につながる思いが想起してハッとさせられることもあります。

先日、出席したお別れの会でのこと。
喪主は人前での挨拶が苦手な人でした。ゆっくりと落ち着いた口調で始まり、しばらくは順調だったのですが、次第に言葉に詰まる場面が増えてきます。沈黙があり、また思い出しつつ先へ進む。また少し話しては、言葉が止まって5秒10秒と時間が流れる。ついに、ポケットからメモを取り出して確認し、また一言一言ゆっくりとスピーチを始める。という具合で、聞いているこちらがハラハラ、ドキドキしてしまい、「もう読んでくれていいから~」とすら思ってしまいました。

それでも、途中ではしょったりすることもなく、用意されていた言葉を最後まで言い終えて、何とか無事に挨拶が終わりました。終わったときは、こちらもホッとしました。

会が終わって、「まったく冷や冷やしたよね~。もう原稿読んじゃえば良かったのに~」と、身内の気安さもあって数人で笑い合ったのですが、みんな同じことを思っていたみたいです。こうして、ちょっとした笑えるエピソードで終わるはずの出来事でした。

ところがそれから数日して、そのスピーチを思い出したとき、私の中に別の見方がふっと湧いてきたのです。

あの日、喪主が、用意してきた原稿の内容を全部話さなかったとしても何の問題もなかったでしょうし、途中でキリの良いところで終わってもよかったはず。そうすれば、本人も聞く側も安堵の胸をなで下ろすことができたでしょう。でも、それをせずに最後までとつとつと、故人の生い立ちや略歴を律儀に紹介したのは、喪主としての、故人と会葬者に対する誠実さの表れにほかならなかったのではないか、と思い至ったのです。

スピーチする本人もきっと冷や汗をかきながら、ドキドキしながらのスピーチだったことでしょう。聞き手もハラハラさせられて、うまいスピーチとはお世辞にも言えません。しかしそれでも、そのときにできる精一杯の誠実さで、会を準備し挨拶をしたことが、故人への何よりのはなむけになったのだと思います。

そのことに気づいたとき、うまいスピーチって何だろう?要領良くって何だろう?(生い立ちや履歴は細かく話さなくてもすんだし、忘れたら途中からメモを読んでしまえばよかったのに・・・。)要領の良さ、うまいスピーチ、それらとは対極に位置するこのスピーチ。周りが抱く危惧や評価とは、まったく別次元のところにあるスピーチ。

ただひたすら、丁寧に誠実に弔いをするという思いだけがあり、それを実行に移す。人により思いを表す方法はさまざまで、それがどのように人の目に映るかも考え方によってかわるものだということを改めて知らされたできごとでした。こうしてこのお別れの会は、私にとって故人を送るとても良い会となり、かつほのぼのと温かい思い出となりました。

 

 

 

キンモクセイの季節も過ぎて

%e7%a7%8b%e3%82%ad%e3%83%b3%e3%83%a2%e3%82%af%e3%82%bb%e3%82%a4キンモクセイの香りに秋の始まりを感じていたと思ったら、それもあっという間に終わってしまいました。

そして、このところの雨模様のお天気。

スッキリとした青空が続かない今年の秋ですが、お変わりありませんか?

 

 

 

 

 

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(写真をクリックしても大きくならなくてごめんなさい。

ブログの仕様が変わってしまったみたいで、以前のようにクリックしても大きくできません。やりかたがあるのかもわかりませんが、私には無理で・・・。

ヘタな写真でも大きくなるとそれなりに、満開のキンモクセイの側を通り過ぎたときのあの芳香を、イメージして頂けるかな~と思ったのですが・・・。残念!)

 

 

写真を撮ってもアップしないうちに時間が過ぎてしまい、いつも一足遅れになっています。今はもう少し大学も秋色。日に日に銀杏が黄色く色づいてきています。

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大学のキャンパスにて。

夏の終わりに・・・

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暑さの中にもどことなく秋の気配が感じられるようになりました。

早く涼しくならないかな~と思っていたのに、涼風が吹き始めると夏が名残惜しくなるというこの気まぐれ!なんなんでしょう?

写真は8月に学会で山形に行ったときのスナップです。

ここは駅に続く大通りなのですが、人通りは多くなく、片側3車線くらいの道路に広い歩道もあり、背景には山波が見えるという、ご覧のようにのびのびした風景です。

朝から大学の構内で缶詰になって講演を聴き、帰りは疲れた頭で、この道をのんびり宿泊先のホテルまで歩くと、ほんのちょっとした時間なんですが癒されました。8月にしては涼しい日だったのも幸いでした。

ところで、この写真の右奥の樹木、一抱えもある大木が数本切られずに歩道の中央に残してあるのです。樹木の下にはベンチ(これも切り株)が置かれていて、良い木陰を作っていました。道路の拡張などであっさり大木が切られてしまうことも多い中、地元の人や行政の優しさを感じました。

さて、今回の旅行、どこへも観光にも行かず、コンビニ弁当を昼食用に買い込んで、大学とホテルを往復していたという・・・こうして自分で書いていても、「なんと味気ない旅行!」としか思えないのですが、ところが個人的には満足だったんです。まず、講演の中身がとても良かったこと(聴きたい話が聴けたこと)。そしてやはり、初めて訪れる土地は、別にイベントや観光地に行かなくてもリフレッシュさせてくれました。

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学会の今年のテーマは「こころとからだ」

カウンセリングの分野も、混沌とした世界の動向と無縁ではなく、これからは、人の生き方、人権、環境、社会とのつながりなど大きな枠で見ていく時代にならざるを得なくなるだろうということ。
過去の知見や学派(もちろんそれらが無用だというのではありませんが)に縛られず、人間丸ごとを見ていく必要性が出てきたのだと思います。

それらは頭の中で構築された回答ではなく、感情や直感を含めた(むしろそれらを信頼した)人間観が基になっていくように思われました。
ようやくそこに至ったという感じですが、希望もまたそこにあるように思いました。

映画祭で野菜をゲット!

えーーー?ウソ~~!っと驚くくらい時間の経つのが早いこの頃です。
すっかりご無沙汰してしまった言い訳でもあるのですが、事実、なんだか時間が飛ぶように過ぎていく感じがしませんか?

世の中も次々と信じられないようなこと・信じたくないことが起きてしまって、いったい全体どうなってしまったのかというこの頃です。

ネットで誰かがつぶやいていました。「今日は1時間瞑想して、なんとか保っている」。。。。。

私のなんちゃって瞑想(?)も細々ですが続いております。そして、瞑想に助けられています。

写真は先日見た映画祭のフライヤーと、その映画祭で買った無農薬野菜です。丸いのはズッキーニで、この形は初めて見ました。味は普通のズッキーニと同じでおいしかったです。
映画祭は組合系の映画祭だったので、労働者の団結を描いた映画やドキュメンタリーが主で、一日になんと5本も上映され、合間に物品販売も。

ゆでた枝豆や無農薬のブルーベリーとかも(こちらはその場でお腹の中に収まりました。おいしかったです^^)

毎年やっているようなので、もしご興味おありでしたら、来年ぜひいらしてみてください。

フライヤー表面の映画は『パレードへようこそ』
イギリスはサッチャー政権の頃、ゲイの若者達が差別感情の強い保守的な炭坑町の労働者と団結して、お互いの権利擁護のパレードに結集をめざすという、実話を基にした映画です。エンターテインメントの要素もあって面白かったです。イギリスの俳優さんて個性豊かで味わいがあるなといつも思います。