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植物の育て方に学ぶ
テレビの園芸番組を見ていたときのこと。画面は北海道の夏の庭園を映している。庭園に咲いたハマナスの花の濃いピンク色がみずみずしい。
番組案内役の園芸家の柳生さんが、感心したようにハマナスの葉っぱを手にとって言う。
「ウチで植えているのより葉っぱが小さいなあ。ウチのは手を掛け過ぎなのかもしれない。ここのは葉っぱが小さくて、その分こんなに花の色が濃いでしょう?」
肥料・水・土など、生育条件を人間が整えてやりすぎると花よりも葉っぱが立派になる。花や種が立派に育つには、必死に子孫を残そうとする植物自身のエネルギーが必要だからだ。条件が整い過ぎると、植物はがんばる必要がない。
「ウチのハマナスは育てているっていう感じだけど、ここのは育てられているんじゃなくて、自分で生きているっていう感じだ。」
いっぽう、シバザクラを育てているおじいさん、手入れのコツを柳生さんに聞かれてこんなふうに答えた。
「いつも畑を見回って、よく見てやることが大事。愛情持ってみてやるちゅうことかなあ。」
植物も人間も、何だか似ている。
いつも見守っていながら、しかし、手を掛けすぎない。
その、どこまで手を掛けるか、掛けないか、<頃合い>が難しい。