セレニティカウンセリングルーム

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名前を覚えるⅡ…教え子の名前をフルネームで

教育雑誌に紹介されていたエピソードから…。

ある公立小学校での出来事です。

A先生(養護教員)は子ども達の名前をフルネームで覚えることを日頃の目標にしていました。そのため朝会に出席するときも名簿を持って参加し、全学年の顔と名前を一致させるように努力していたのだそうです。

すると、それを知った校長先生が「私もやる」と言って、同じように子ども達の名前を覚え始めたそうです。養護の先生も校長先生も、担任と違って、いつもクラスの子ども達を見ているわけではないので、子どもと接する条件としては同じです。

そうしてしばらくしたところ、次第に校長先生の集会などでの話の内容が変わってきたのだそうです。

子ども達の様子がわかるようになってから、校長先生がとても講話を大事にするようになったのです。子どもの心に響く話に変わっていきました。

そんなとき、A先生はすかさず、「校長先生、今日の話はいい話でしたね。子ども達はこんな反応でしたよ」と声を掛けるようにし、校長先生にも一緒に「管理職として育ってもらう」のだそうです(=校長先生には内緒^^)。ベテランの養護の先生ならではの心強いサポートだなあと感心しました。また、素直に学んだ校長先生もすばらしいと思います。

「私は管理職であって教育者ではない」と公言する校長先生もいる現状を考えると、たとえそうした状況でも、やりようによっては一歩ずつ変えていくことができるのだと、良いお手本を見せてもらったような気がしました。

難しく考えず、できることから始めればいいんだ。まだまだやれることはありそう、そんな気にさせてくれます。

それにしても、人間関係ってちょっとのことで風通しが良くなったり、会話や笑顔が増えたり、居心地がよくなったりするものなんですね。

お別れ

「旧年中も、ワークショップ開催のご連絡をいただきまして、ありがとうございました。
今年が、よい年でありますように……。」

一通の年賀状が手元にあります。今年の元旦に頂いたものです。伊勢市二見ヶ浦の日の出が赤々と映し出されています。いつも通りのしっかりとした筆跡は、とても厳しい闘病中に書かれたとは思えないほどです。

このときすでに、かなりご病状は悪化していらしたのだと後に知りました。どんな思いでこの年賀状を書かれたかと思うと、胸が詰まります。

……………

昨日留守電が入っていました。Ha先生の訃報でした。
セレニティの開設間もない頃から、ずっと教師研修その他の催しに参加してくださった小学校の先生です。

瞑想会の初期からのメンバーで、2004年の音祭りにも遠方から参加してくださって、手拍子で楽しんでくださいました。茨城での泊まりがけの手塩研セミナーにも参加されました。

そしてここ数年、ご病気と診断されてからも、度重なる手術と治療で体力を消耗されつつも、ひたすら教育者として研鑽の道をと、あれこれ研修会に参加され、「少しゆっくりされては?」との周囲の声ももどかしそうに、再び教壇に立つ日を胸にがんばっておられました。

思い出します。
白浜での宿泊研修の折り、釣り竿とバケツを手にしたHa先生を写真にパチリ!ちょっと得意そうに見えました。その日一番釣れたのはHa先生。「昔とった杵柄ですね」とみんなで笑い合ったときの、先生の照れくさそうな笑顔。私の知っているHa先生の一番楽しそうな笑顔でした。ヤンチャな釣り好き少年が顔を覗かせて…。

Ha先生と私は同い年。なのに、なぜか先生と話すときは「です、ます」調になってしまったのは、先生の律儀で誠実なお人柄のせいだったかもしれません。

今でも、何だか信じられないのです。うっかりすると、また今まで通りに、ワークショップのお知らせをお送りしてしまいそうで…。

今はただ、感謝の言葉があるだけです。長い間、どうもありがとうございました。そして、さようなら、Ha先生。

これからもセレニティはがんばりますよ。先生の、教師として、最後まで教室の子ども達のことを思っていらしたお気持ちを大事にしつつ…。手塩研を見守っていてくださいね。

合掌