セレニティカウンセリングルーム

関連するコトバ 『 大学 』

卒業シーズン

大学の後期授業が終了しました。学生相談室はお休みになります。

当然4年生の学生達は卒業していきます、カウンセリングが終了してもしなくても…。

相談室での悩みも解決し、晴れて卒業する学生の場合は、私もとても晴れ晴れした嬉しい気持です。

いっぽう、大学の相談室では手に余る問題のこともありますし、短期間に解決できない問題のことも…。そうした場合にも、卒業と同時にカウンセリングのまとめのような形に持っていかなくてはなりません。

ここが一般のカウンセリングルームなどと違うところですね。カウンセリングの途中であっても終結しなくてはいけないのです。

複雑な心境です。もちろん、卒業に合わせてカウンセリングが終了して送り出せるように最大限努力するのですが、必ずしも願ったとおりには進みません。

そうしたとき私にできることは、卒業までとにかく寄り添い、伴走すること。

解決できない問題を抱えたまま卒業する学生にはこんな風に伝えることも…。

最後の面接で―、

「とにかくこれからの人生どんな時も諦めないで、自分を大切に毎日を送っていってほしい。良い出会いがあることを祈っているよ。」
言葉に思いを精一杯込めて送り出します。

普段と変わらぬ様子で、背中で私の言葉を聞いて出て行った○くん、がんばれ!

秋ですね 野外展覧会

通りのあちこちからキンモクセイの香りが漂ってきて、秋を深々と深呼吸したい気持になります。

この間など、大学の相談室から通路に出たとたん、キンモクセイの香りがほわ~っと…。ビルの三階、しかも通路も外部とは仕切られているにもかかわらず、です。

吹き抜けのホールから風に乗って吹き込んできたのでしょうか。

この時季、大学の校内にはさまざまな芸術作品が展示されています。毎年、国際野外展覧会(正式名称は?)の会場になっているのです。

建物内外に、布や金属、竹や木、紙など、素材もバラエティに富んだ大小さまざまな作品が展示されていて、キャンパス全体がちょっとしたミュージアム状態です。

「これは何?」と思うような作品もあって面白いです。

とはいえ、帰りを急いでしまってじっくり見ていないのが現状なのですが…。

それでも、吹き抜けのホールに掛け渡された彩り豊かな布の作品は、目にするたびにさわやかで、一年中展示しておいてほしいなあと思うくらいです。

今日はこれから定例のアサーション・トレーニングです。「セレニティ通信」も目下編集中。

それでは、・・・行ってきます。

二人がけシートに一人ずつ

週に二回、大学の学生相談室を担当しています。大学へは最寄り駅から教職員用バスが出ますが、時間帯によっては学生達と同じスクールバスを利用することもあります。

そんな時、以前からとても不思議だったのは、学生達は二人がけのシートに一人ずつしか座らないということ。もちろん、ふだんから会話している(と思われる)友人同士の時は、二人がけに隣り合って座り、おしゃべりしていますが、二人がけのシートに座っているのが、日頃話したことのある相手でないと、空いていても座らないみたいなのです。

ギッシリ混んでいても、席は一人分ずつ空いている、なんてこともたびたびです。

もちろんたまに、そうでない学生もいますが、大半は二人がけシートに一人ずつ座っています。

ある時、顔なじみの学生達に、
「こういうの、なんかヘンじゃない?」と聞いてみると、
「僕もそう思います。」
「僕は気にせず座っちゃいますよ。」
と、彼らからはキッパリした返事が返ってきて、ホッとしたことがあります。「ヘン」だと思っていたのは私だけじゃなかったと。(ちなみにここのキャンパスでは90パーセント以上が男子学生です)

先日、いつものように大学に向かうバスに乗り込んだときのこと。
私が座ると、すぐ前の席に一人男子学生が座りました。その日車内はすいていて、二人がけに一人ずつが座った後、数人が立っている状態でした。

そこへ一人の女子学生が乗ってきて、後方の空席をサッと確かめた後、私の前の空いた席に何のためらいもなく座りました。男子学生の隣りだったので、友達同士かと思ったのですが、そうではなかったようです。大学までの10分間、二人の間に会話はなく、女子学生も、隣の席の男子学生に格別注意を払うでもなく、そのまま降りて行きましたから・・・。

たったそれだけのことですが、私の目にはなぜか新鮮で、気持ちよい光景として映りました。
何が言いたいのかと言うと、男子学生の隣りに女子学生がサッと座ったことが珍しく、そして頼もしい感じがしたのです。それまで、男子学生達が、隣り合ったシートになかなか座らないのを、不思議でもあり、ナーバスで過剰な振る舞いのように思っていたものですから・・・。

もちろん、女子学生の行動は、ごく自然で当たり前のことなんですけど、ふだんそういう光景を目にしていなかったので、さわやかで溌剌とした印象を受けました。バスを降りる彼女の背中を見送りつつ、「どんな人かなあ?話してみたいなあ。」と、一瞬興味を持ったくらいです。

一方で、多くの学生達はものすごく人間(友人)関係に気を遣っているんだなあと、気の毒な気さえします。これは、うちの大学だけのことなのでしょうか。むしろこの大学に限らず、大なり小なり、若い人達の中に人間関係に過剰に反応してしまう傾向があるということではないかとみているのですが…。彼らは窮屈な思いをしているように見えます。

「みんな、もっと気楽にしていていいんだよ!そんなに壁を作らないで、もっと人を信頼しあおうよ。」と言ってあげたい気がします。本当は彼らだって、そう願っているに違いないし、そうなれるように後押ししたり、援助するのが私の仕事ですし、・・・・何とか力になりたいものです。

こんな送迎バスでの往復ですが、私にとっては、いささかありがたいこともあるんですよ。・・・それは、どんなに混んだバスでもたいていは座れる=二人がけのシートは空いていることが多いのですからね。「失礼!」とかき分けていき、二人がけの空いた席に座ることができます。果たして、喜んでいいのでしょうか?(^^;;;