セレニティカウンセリングルーム

カテゴリー 『 アート 』

ノスタルジック横浜

久しぶりにミュージカルの生の舞台を観てきました。

前から6列目という私としては今までで一番良い席でラッキーでした。
俳優さんの表情までバッチリ!

どの役の役者さんも素晴らしくてすっかりノートルダムの世界に引き込まれました。特にエスメラルダ役の女性の、目の動きから呼吸の一息まで、エスメラルダが乗り移ったかのような歌やお芝居には圧倒されました。もともとこの演目は曲が高評価らしいですが、本当にどれも心引かれる歌ばかりでミュージカルの世界を堪能できました。

 

劇場の「KAAT」(横浜)は初めての場所。
私が神奈川に住んでいた頃にはなかった建物だし、久しぶりの山下公園周辺は、さぞ懐かしいだろうな~と思って出かけたのですが・・・。

久しぶりすぎて私自身にもうほとんど昔の記憶がなく、初めて訪れた街みたいで・・・。
そういう意味ではちょっと淋しかったかな?

でも、20代の頃何度か訪れた『馬車道十番館』というカフェ(というより喫茶店と呼ぶ方がふさわしい)を思い出し、ランチに。
確かノンノか何かで紹介されていたのがきっかけで行ったような記憶が。なにせ45年くらい前のことなのでいろんな記憶が入り交じっている可能性なきにしもあらず。そういえば、ノンノやアンアンもあの頃に創刊されたはず。

お店のクラシックで落ち着いた雰囲気は以前のままでしたし、お料理も丁寧に作られていておいしく、遅い昼食を思い出とともにゆっくりと味わうことができました。

暗くなってきたので、みなとみらい駅周辺の夜景を見に、高層ビルの上層階に上がってみました。立ち並ぶ高層ビルの窓の明かりと観覧車のネオンの瞬きが夜空を明るく照らして、私の記憶にある横浜は記憶の上書きが必要でした。唯一、氷川丸だけは小学校の遠足当時から変わらぬ姿で停泊していました。そこだけがこじんまりと歴史の生き証人のようにも映りました。もちろん夜景の美しさは、それはそれで素晴らしいと思いました。

一方、古い物と新しい物がおしゃれに共存しているところに港街ヨコハマの良さがあると思うのです。大胆な開発計画があると聞きますが、利権やお金儲け優先で公共の財産である地域の歴史や文化をないがしろにしないでほしい、古い物も大切にしつつ発展してほしい。
海からの心地よい夜風に吹かれながら、ふとそんなことを思ってしまったノスタルジック横浜でした。

 

久しぶりの観劇

コロナでいろいろなイベントが中止になった中、久しぶりに劇場でお芝居を観ることができました。

といっても11月の話です・・・今頃になってしまい、ごめんなさい。

今年もそろそろ終わろうという時期ですが、遅ればせながら久しぶりの劇場での鑑賞が嬉しくて記事に書くことにしました。

「ユタと不思議な仲間たち」はタイトルの「ユタ」と言う言葉から、ずっと沖縄が舞台のお話だとばかり思っていました。ユタはユウタのことで、東北弁なまりで主人公の男の子勇太がこう呼ばれているのです。原作が三浦哲郎、作曲が三木たかし、作詞に岩谷時子さんが参加しているというなかなか見応えのある素敵なミュージカルでした。

「友だちはいいもんだ」は名曲ですね。子ども達が小学校時代に良く耳にした記憶があります。貧困、間引きといった重い地方の歴史を扱いつつも、座敷童(わらし)の民話を絡めて、友情や命について温かい目線で語る感動のファミリーミュージカルになっています。

自由劇場が大きな会場でないだけに、役者さんの息づかいまで聞こえるようなアットホームな雰囲気と、会場との一体感も心地よかったです。まだまだマスクと感染対策とで気を抜けませんが、それでも少しずつ会場でイベントに参加できるようになってきたことが、本当に嬉しく思えました。今まで当たり前と思っていたことが、いかに貴重なことだったかをここでも痛感させられました。
やっぱり会場で観られるイベントって格別です!

黄葉の午後、「ゴッホとゴーギャン」

上野公園の銀杏先々週の休日、久しぶりに上野公園に行ってきました。

お目当ては「ゴッホとゴーギャン展」です。

会期末まではまだ10日ほどあったので、混雑はしていないだろうと高をくくって行ったところ、見事に予想は外れました。

朝の通勤ラッシュほどではなかったですが、お昼時の山手線(?)くらいには混んでいました。

絵は素晴らしかったです!
でも、人混みで疲れました。できればゆっくり静かに観たかったな~。

画材を買うのもままならないほど貧しかったゴッホが、待ち望んだゴーギャンとの共同生活を控え、ゴーギャン用の椅子を購入して到着を心待ちにしていたというエピソードは、ゴッホのピュアで一途な人柄を物語っているようで、その椅子を描いた絵はひときわ印象に残りました。

絵の具の退色がかなり進んでいると解説にありました。
実際、会場の概説案内のビデオに映し出される絵画の色合いの鮮やかさと、展示された実物の色合いとの違いは(デジタル表示と実物の違いを考慮しても)歴然としており、ゴッホが描いた元々の色はどんなだったのだろう?と、もはや見ることのできない色彩に興味をかき立てられました。

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こうした疑問が湧いてくるのも、時代の空気まで感じさせる展覧会ならではの感想だったような気がします。

すっかりゴッホとゴーギャンに浸った2時間。その後、見事な銀杏の黄葉の中を歩く。

ささやかだけど、何かとっても贅沢~!そして幸せ~!

 

映画祭で野菜をゲット!

えーーー?ウソ~~!っと驚くくらい時間の経つのが早いこの頃です。
すっかりご無沙汰してしまった言い訳でもあるのですが、事実、なんだか時間が飛ぶように過ぎていく感じがしませんか?

世の中も次々と信じられないようなこと・信じたくないことが起きてしまって、いったい全体どうなってしまったのかというこの頃です。

ネットで誰かがつぶやいていました。「今日は1時間瞑想して、なんとか保っている」。。。。。

私のなんちゃって瞑想(?)も細々ですが続いております。そして、瞑想に助けられています。

写真は先日見た映画祭のフライヤーと、その映画祭で買った無農薬野菜です。丸いのはズッキーニで、この形は初めて見ました。味は普通のズッキーニと同じでおいしかったです。
映画祭は組合系の映画祭だったので、労働者の団結を描いた映画やドキュメンタリーが主で、一日になんと5本も上映され、合間に物品販売も。

ゆでた枝豆や無農薬のブルーベリーとかも(こちらはその場でお腹の中に収まりました。おいしかったです^^)

毎年やっているようなので、もしご興味おありでしたら、来年ぜひいらしてみてください。

フライヤー表面の映画は『パレードへようこそ』
イギリスはサッチャー政権の頃、ゲイの若者達が差別感情の強い保守的な炭坑町の労働者と団結して、お互いの権利擁護のパレードに結集をめざすという、実話を基にした映画です。エンターテインメントの要素もあって面白かったです。イギリスの俳優さんて個性豊かで味わいがあるなといつも思います。

倉敷、児島虎次郎記念館

もうすっかり秋ですね。
同時に台風シーズンでもあります。
今日は関東もあちこちで大雨警報が出ていますが、皆さんの地域は大丈夫でしょうか?

8月も数日で終わるという日に、所用で岡山に行ったのですが、せっかくなので倉敷にも足を伸ばしました。

夏の観光のピークも過ぎ、何となく「祭りの後」のようなもの悲しい感じさえ漂っていました。ビアガーデンは閉まっているし(アルコールがダメな私には関係ないですが)、観光客もまばらで、「もう夏は終わりだなあ」という空気が感じられました。

そんな中、ふと入った「児島虎次郎記念館」がよかったです。

ここも観覧者は私と、他に一人だけ。建物は明治期の紡績工場の織物倉庫なので、重い織物を天井まで積み上げたときに耐えられるよう床板の厚さが6~7センチはあろうかという重厚な建物です。現在のクラボウ(倉敷紡績)の発祥の地になります。

児島虎次郎さんの絵が素晴らしかったです。有名な大原美術館の所蔵絵画は、倉敷紡績のオーナーであり、美術館創設者の大原さんが、パリ在住の児島虎次郎の進言で収集を始めたものだそうで、当時まだパリ画壇でも注目されていなかった印象派の絵画もいち早く収集しているのは、児島の審美眼の的確さゆえだったと思われます。あの有名なエル・グレコの「受胎告知」も実物がここにあるのです。

東京の美術館などに比べると、本当にさりげなく展示されていて、そこにまた親しみを感じました。(写真を撮るのも忘れて見学していて、ほとんど写真がありません。何となく雰囲気を感じていただければ・・・)

感動したことがもう一つあります。
大原孫三郎さんは企業人であると同時に、社会貢献でも重要な仕事をしていました。友人のクリスチャンに影響を受けたそうですが、社員の健康や安全な労働管理、生活支援のための生協活動や厚生設備、社員のための保育所整備や孤児院の運営まで、企業の発展を図りつつ、社会的にも大きな貢献もしていたという事実は、写真や事実で読むだけでも胸のすく思いがしました。

今の社会を見るとき、大企業の多くが収益を一部の者の懐を潤すことのみに使い、そこで働く労働者がないがしろにされ、地域社会にも冷淡であるという事実が社会問題にすらなっています。明治期の企業人には、大原さんに限らず、社会全体を視野に入れ、人間的な目て企業を運営する視点と度量があったのです。そうした人物を生み出す社会、そうした人物を育てる教育であってほしいとつくづく思います。

結局半日を、児島虎次郎記念館と大原美術館で費やし、他の観光地は観ることもなく帰ってきてしまったのですが、それでも大満足でした。とっても幸せな半日を過ごすことができましたから…。もし、倉敷にいらっしゃたら、大原美術館はもちろん、児島虎次郎記念館にも、ぜひ足を運んでみてください(先に児島虎次郎記念館を観て、それから大原美術館に行くのがお薦めです。係の女性のアドバイスなんですが、より味わいが深まります)。