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名前を覚えるⅠ…学生時代の体験から
私事で恐縮です。だいぶ古い話です。
大学時代のあるクラスの担当教官が、さほどの人数でもないのに、毎回出席をとるたびに私の名前を読み間違えるということを繰り返したことがあります。
名字を間違えるか、名前のリョウコをヨシコと読み間違えるかします。当時の名前(旧姓)は大本ではなく、難しい読みの漢字でもなかったのですが、毎回「鈴木」と読み間違えられました。
ときには、名字と一緒に名前も間違われるときがあって、「スズキヨシコ」と呼ばれたときなど、私のことだとは思わずに返事をしなかったところ、危うく欠席にされそうになったときもありました。以後、注意深くなり、「それらしき」名前が呼ばれるたびに、訂正を入れるようになりました。
名前の音読み・訓読みを間違えるくらいは仕方ないとも思いましたが、それだって出席簿にふりがなを付けたり、どこかに注意書きをメモしておくなどすれば、防ぐことのできるミスだったと思います。それもせずに、毎回出欠を取るたびに間違い、私が訂正を申し出るということを繰り返していました。
そのうちウンザリしてきました。
教室に座っているのが「〇野△子」であろうが「△田◇子」であろうが、先生にとってはそんなことはどうでもよくて、「学生なんて、カボチャやジャガイモが並んでいるのと変わりないのかもしれないなあ」と、だんだんとそんな冷めた気持ちにもなっていきました。
そのせいか、私は最初のうちは前列に座っていたのですが、次第に後列に座るようになり、授業に身を入れて聞こうという気持ちが薄れていきました。
先生が教え子の名前をちゃんと覚えるということが、どれくらい大事か、私のこうした体験からも痛感します。
という長い前置きなんですが、先日ある教育雑誌を読んでいたら次のようなエピソードを知って、ご紹介したくなりました。私の経験と正反対の教師の姿勢で、感動しました。長くなったので、明日の日記に回します。